
妊活で射精後に気を付けることはある?

妊活の成功率を上げるために意識することは?
妊活に関して、このような悩みをお持ちではありませんか?
不妊治療の保険適用に伴い、妊活に励むカップルが増えていますが、努力にもかかわらず妊娠に至らないケースも少なくありません。
妊娠につながらない原因として、射精後の行動が関係している可能性があります。
この記事では、妊活時の射精後に気を付けるポイントについて詳しく解説します。
また、妊娠の成功率を上げるために射精前や日常的に意識すべき点も紹介しているので、妊活をしているカップルはぜひ参考にしてください。
- 妊活の射精後に気を付けるポイント
- 射精する前に男性が気を付けること
- 妊活の成功率を上げるために意識すべきこと
この記事の監修者
妊活の射精後に気を付けること3選
妊活の射精後に気を付けるべきポイントとして、以下の3つを紹介します。
- 安静を保つ
- 定期的に性行為を持つ
- タイミング法を意識する
これらを意識することで、妊活の成功率を上げていきましょう。
安静を保つ
妊活中の射精後、特定の体位が妊娠確率を高めるという誤解がありますが、これには科学的な裏付けは存在しません。
精子はどの姿勢でも子宮へと自然に進むため、リラックスして過ごすことを心がけましょう。
射精後の時間を安静に保つことが、妊娠の成功率を上げることに繋がります。
定期的に性行為を持つ
妊活での射精後に気を付けるべきポイントとして、定期的な性行為が挙げられます。
排卵日のある週における性交回数が、妊娠率に与える影響は以下のとおりです。
性行為の回数 | 妊娠率 |
---|---|
1回 | 約25% |
2回 | 約30% |
3回 | 約35% |
週に1回から2回の性行為では妊娠確率が徐々に上昇し、3回で約35%と最高率に達しますが、それ以上の回数では妊娠確率の増加はみられません。
そのため、効果的な妊活を行うには、排卵日かどうかに関わらず週に3回の性行為が理想的です。
頻繁な性交が妊娠率を高めることは確かであり、人工授精や体外受精においても同様の傾向があります。
また、毎日の性行為が精子の数を減少させるという心配は無用です。
定期的な性行為を心がけましょう。
タイミング法を意識する
妊活で射精後に最も注意すべきポイントは、タイミング法の利用です。
タイミング法では、排卵予定日に合わせて性交渉を行うことが重要です。
精子は卵子よりも寿命が長いため、排卵日に精子が卵管に存在していることで、妊娠の可能性が高まります。
排卵日は、経腟超音波検査やホルモン検査により予測することができます。
予測された排卵日の1〜2日前に性行為を行うことで、妊娠確率の向上を目指しましょう。
そもそも妊娠の仕組みは?
妊娠の仕組みをご存じでしょうか?妊娠は以下の4つの順番に進んでいきます。
- 排卵
- 受精
- 細胞分裂
- 着床
それぞれの段階で、どのようなことが行われているのかを確認してみましょう。
排卵

通常、女性は約28日周期で卵子を排卵します。
排卵が生じるのは、生理開始からおよそ14日後です。
排卵日に、卵子は卵巣から卵管の卵管膨大部に移動し、精子と出会うことで次の段階である「受精」に移ります。
卵子は卵管で精子を待つため、この排卵日に合わせて射精をすることが、妊活では重要とされています。
受精
受精は、精子が卵管膨大部で卵子に達した時に始まります。
卵子は排卵後約24時間生存する一方で、精子は女性の体内で最大72時間活動可能です。
この期間に卵子と精子が適切に出会うと、受精が行われます。
卵子と精子が出会う瞬間が妊娠の第一歩となるため、受精する可能性のあるタイミングを理解しておきましょう。
細胞分裂
受精が成功すると、卵子と精子が結合して受精卵が形成されます。
受精卵は、細胞分裂を続けながら卵管を通って子宮に移動します。
移動中の連続的な細胞分裂が、胚の発育を促進し、最終的には子宮内膜に着床する準備を整えるのです。
着床
受精卵が子宮の壁に着床すると、母体とのつながりが形成されます。
これにより、受精卵は必要な栄養と酸素を母体から受け取り、成長を続けることが可能です。
着床が成功すれば、妊娠の成功が認められます。
妊活で射精する前に男性が気を付けること9選
妊活で重要なのは、射精後だけではありません。
射精前に男性が気を付けることとして、以下の9つを紹介します。
- 精液の質
- 風疹
- 喫煙
- 飲酒
- カフェインの過剰摂取
- 下半身の圧迫
- 下半身を温める
- 過剰なストレス
- コミュニケーション不足
妊活を進めていてもなかなか妊娠に至らない場合は、射精前の日常生活にも注意を向けてみましょう。
精液の質
妊活において、男性の精液の質は重要です。
精子の健康状態は肉眼では確認できないため、精液検査を受けることを検討しましょう。
精液検査では精子の数量や運動率、および精液の総量を検査します。
妊娠の可能性を高めるため、妊活を始める前に検査を受けることで、必要に応じて人工授精や体外受精への切り替えの検討が可能です。
精液検査の方法は以下の2種類があります。
- 自宅で行う検査キットを使用する
- 専門クリニックで確実に検査を受ける
年齢が上がるにつれ精子の質も低下するため、35歳を迎える前に精液検査を行うことを心がけましょう。
風疹
妊活を始める前に男性も風疹に注意することが大切です。
風疹ウイルスは感染力が強く、特に妊娠初期に感染した女性が胎児に「先天性風疹症候群」を引き起こすリスクがあります。
この症状は赤ちゃんの身体的・精神的発達に深刻な影響を与える可能性があるため注意が必要です。
男性も予防接種を受けることで、このリスクを大幅に減らすことができます。
予防接種は99%の予防効果があると報告されており、妊活を計画している場合、検査とワクチン接種を検討しましょう。
喫煙
喫煙は血流を悪化させることで精子の質を低下させるほか、精子のDNAに損傷を与えることがあり、これが流産や死産のリスクを増加させます。
さらに、喫煙は性欲を減退させる影響も報告されています。
受動喫煙のリスクも考慮し、妊活期には禁煙を検討しましょう。
加熱式タバコも似たようなリスクを持つため、完全な禁煙が望ましいです。
飲酒
過度なアルコール摂取は精子の数や形を悪化させ、結果として妊娠の可能性を低下させます。
しかし、全面的な禁酒が必須ではなく、適量であれば特に問題はありません。
妊活を始めるにあたり、日常の飲酒量を見直し、適度に控えることを心がけましょう。
これにより、精子の質を維持しつつ、妊娠のチャンスを高めることができます。
カフェインの過剰摂取
コーヒーや紅茶、緑茶など日常的に摂取する飲料に多く含まれるカフェインは、過剰に摂取すると妊活に悪影響を与える可能性があります。
特に妊活期間中はカフェイン摂取を控えめにすることが望ましいです。
日常生活で無意識に摂取することが多いため、ノンカフェインの代替品を選ぶなどして、適切な量を意識することが重要です。
下半身の圧迫
自転車のサドルや長時間の運転などによる圧迫は、下半身の血流を悪化させ、精子の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
できるかぎり下半身を圧迫する状況を減らすか、圧迫を軽減する工夫が推奨されます。
また、締め付けるタイプの下着も同様に精子に悪影響を与えるため、ゆったりとしたトランクス型の下着に変更することもおすすめです。
下半身を温める
精子は熱に非常に敏感であり、過度の暖かさは精子の質を下げることがあります。
そのため、以下のような下半身を温める行為は控えるようにしましょう。
- 長時間のお風呂
- サウナの利用
- パソコンを直接膝の上で使用する
- 電気毛布を使う
これらの習慣が精子に与える悪影響を抑えることで、妊娠の可能性を高めることができます。
過剰なストレス
ストレスは精神的・肉体的健康に影響を与え、妊活の成功率を低下させる可能性があります。
適切にストレスを管理することで、妊娠に影響を及ぼす要因を減少させます。
効果的なストレス発散方法として以下がおすすめです。
- 質の良い睡眠を確保する
- 毎日同じ時間に起床する
- 日光を浴びて運動する
- 妊活中の他の人と話をする
- 趣味に時間を費やす
ストレスを溜めないように、無理をしない範囲で妊活を進めましょう。
コミュニケーション不足
妊活中の男性はパートナーとのコミュニケーションを大切にしましょう。
夫婦間で妊活に対する期待や計画が異なると、誤解や摩擦が生じやすくなります。
そのため、妊活の進め方や期待について定期的に話し合うことが大切です。
たとえば、どの程度の期間で妊娠を望んでいるのか、妊活にどれだけのリソースを割り当てるかなど、具体的な話し合いが効果的です。
コミュニケーションを通じて、夫婦が互いに納得した妊活計画を立てることができます。
ただし、計画を詳細にしすぎると逆にストレスの源となるため、お互いの負担にならないよう配慮することを心がけましょう。
妊活の成功率を上げるために意識すべきこと3選
ここまで、射精前後で意識すべきことを紹介しました。
最後に、妊活の成功率を上げるために意識すべきこととして以下の3つを紹介します。
- 生活習慣を改善する
- 栄養バランスを整える
- 定期的に射精を行う
それぞれ確認してみましょう。
生活習慣を改善する
妊活成功のためには生活習慣の改善が不可欠です。
運動不足や不規則な睡眠は、精子の質に悪影響を及ぼすことが知られています。
特に、現代のリモートワーク環境下では、運動機会の減少や筋力の低下が見られがちです。
このため、日常的に適度な運動を取り入れ、毎晩6〜8時間の質の高い睡眠を確保することを心がけましょう。
運動は毎日30分以上を目標にし、ウォーキングなどの軽いものから始めてください。
睡眠については、毎日決まった時間に睡眠を取ることで、体内時計を整え、深夜の活動は避けることが重要です。
栄養バランスを整える

妊活中の栄養バランスは、精子の質に直結します。
栄養バランスが乱れている場合は、精液の量や精子の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、肉体的や精神的にも不調を感じ、妊活への意欲が低下する可能性にも注意が必要です。
バランスの取れた食事を意識し、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うことも検討しましょう。
定期的に射精を行う
妊活中の男性は定期的な射精を心掛けることが大切です。
精子は長期間体内に留まると劣化するため、適度な射精により新鮮な精子を保つ必要があります。
性交渉の他にも、自慰による射精も同様に効果的であるとされています。
理想としては、1日に1回または2日に1回の頻度が適当ですが、体調を考慮し無理のない範囲で継続することが大切です。
定期的に射精を行うことで精子の質を維持し、妊活の成功率を高めることができます。
妊活の射精後に関するよくある質問
- 射精後はどれくらい安静にすべき?
- 射精後の妊娠しやすい体勢は?
- なぜ射精後は安静にしておく必要があるの?
- 毎日射精してもいいの?
- 射精後何時間で受精するの?
- 射精で妊娠する確率はどれくらい?
- 精液は何日で満タンになる?
射精後はどれくらい安静にすべき?
射精後に約30分間は安静にしておくことは、精子が子宮に到達するチャンスを高めるために役立ちます。
射精後は、女性が少し腰を高くして安静にすることも推奨されます。
お互いにリラックスし、無理のない姿勢でこの時間を過ごすことが、受精の可能性を高めるために効果的です。
射精後の安静時間を快適に過ごす方法について、パートナーと事前に話し合うようにしましょう。
射精後の妊娠しやすい体勢は?
射精後の体位が妊娠率に与える影響については、科学的な証拠は見つかっていません。
精子はどの体位でも子宮へと移動可能なため、女性は射精後に無理な体勢を取る必要はありません。
リラックスできる姿勢でゆったりと過ごすことが、妊娠に向けて最も効果的とされています。
射精後の体勢について心配するよりも、心地良いと感じる方法でリラックスすることが重要です。
なぜ射精後は安静にしておく必要があるの?
射精後に安静にすることは、精液が外に流れ出るのを最小限に抑えるため重要です。
特に射精後すぐに浴室でシャワーやお風呂を利用すると、精液が流れ出やすくなります。
そのため、射精後は約30分間はベッドで静かに過ごすことが推奨されます。
毎日射精してもいいの?
毎日の射精が精子の枯渇を招くことはほとんどないため、性欲がある場合には頻繁に射精しても問題はありません。
ただし、連日の射精が精子濃度を減少させることがあるため、射精の頻度を調整することが推奨されます。
実際に射精の頻度が精子の質にどう影響するかを把握するためには、定期的な精液検査を行うと良いでしょう。
射精後何時間で受精するの?
射精後の精子は、すぐに受精能力を持たず、通常は射精後約5から6〜36時間で最も受精能力が高まります。
一方で、卵子は排卵後約6〜48時間の間に受精が可能です。
このため、卵子と精子の受精可能期間が重なる最適なタイミングは、排卵日の前日やその前々日になります。
射精で妊娠する確率はどれくらい?
射精時には数千万個の精子が放出されますが、研究データによると、妊娠する確率は約20〜30%にとどまります。
これは、健康な若い男女であっても同様です。
精子の旅は困難で長く、腟内から卵子が存在する場所まで到達する精子はごくわずかです。
最終的には数億個の精子の中からたった1つが卵子と受精することができるため、妊娠は多くの条件がそろったときにのみに成立します。
精液は何日で満タンになる?
射精後は通常、3〜4日で精子の量がもとに戻るとされています。
健康な男性の場合、精液1mlあたりには通常4000万匹以上の精子が含まれていますが、1000万匹以下では妊娠の可能性が低くなると言われています。
そのため、排卵日を迎えるにあたっては、3〜4日以上の禁欲期間を設けて精子を十分に蓄積させることが効果的です。
射精後に気をつけることを意識して、妊活の成功率を上げよう!
妊活は一人だけの取り組みではなく、パートナーと共に進めることが大切です。不妊問題は男女どちらにも原因がある場合がありますが、責任の所在を問うよりも解決策を一緒に考えましょう。
成功率を高めるためには、日常の生活習慣を見直し、特に食生活の乱れや体の冷えなど、改善すべき点をお互いにサポートし合うことが大切です。
健康的な生活が妊活にも良い影響をもたらすため、互いの健康を気遣い、支え合うことが妊娠の成功につながります。